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作業日誌

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時間は平等だけど、時間がない。
微妙にやることが多くて、読書もままならない。

でも読んじゃう。
読んでも、気分は晴れないし、むしろ憂鬱で陰鬱で苦しくなるような…だけどとにかくおもしろい。

中原昌也「作業日誌2004→2007」

中原昌也という単語をみると、高校生の頃を思い出します。
あの頃夢中だった世界。
暴力温泉芸者という名前に笑い、奇怪なノイズを奏でるその野蛮さに驚いていたあの中原昌也が!

中原さんの脳みその中をみてみたい。

基本、万年金欠。
中原さんは殆ど毎日モノを買う。そして売る。そのお金でまた買う。
中原さんはお昼過ぎに起きる生活に後ろめたさを感じている。でもやめない。
中原さんと街で偶然あって飲みに行く友人たちやすっぽかした仕事。文句。
日々の膨大な量の買い物。聞いたこともないB級映画やたくさんのCD。
とにかく日々の出来事を淡々と書き付ける。
中原さんの日々は、鬱々とした戦いだ。

中原さんは、私の思い描いていたイメージと違って謙虚な方だった。
そして繊細だ。
まったく、単なる記録(まさに日誌!)なのに。
どうしてこんなに響くんだろう。

多分、すごく正直な人なんだろう。

これ読んでると、どうしてだか頑張ろうって気になる。
by michiko-kk | 2012-05-02 04:42