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佐藤雅彦 著の「差分」が面白すぎる!
紙の頁ひとつで、「感覚」を味わえることが衝撃だ。
脳とは一体なんなのだろう。
身体とは、感覚とは一体なんなのだろう。
自分の身体とは、1番不可解なものだ。

本とは、単なる情報とは違い、それは血となり肉となる。


数ヶ月前から、手首の酷い腱鞘炎に悩ませられている。
フタを開けるのも、器を持つのも、日常の何気ない動作にいちいち痛みが走る。

手首なんぞ、身体のごくごく一部のパーツであり、全体の割合からしたら些細なものだ。
それなのに、こんなにも苦痛でストレスで、不自由だ。
失って初めて実感する、健康の有難さである。

ただ、付かず離れずの痛みというものは、自分の身体を実感できる場であると知った。
イテテッ!と思うたびに、意識する。
痛みの箇所を探し当てるように、微妙に違った動作をしてみたりする。


海外に居る最大のメリットは「情報の遮断」だ。
生まれ育った日本は本当に素晴らしい国で、言葉は理解できるし、便利だし、民度も高く、なんにつけても痒いところに手が届くという、とにかく他とは別格の国だ。

しかし、唯一の難点は、情報が多過ぎる。
そこに居るだけで、入れたくもない情報までもが流れ込んでくる。
自分のような仕事には、時として情報が邪魔になる。

有り余る情報を遮断していくと、シンプルなものしか残らないことに気づく。
寒いとか暑いとか、水の音とか工事の音だとか。
意識と同時に感覚が動く。

怪我はいずれ治ってしまう。
期間限定はレアものである。
今はその痛みの感覚と、それをいちいち痛がる自己を楽しむことにしている。




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# by michiko-kk | 2016-08-01 11:21
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【日本橋髙島屋 亀江道子展 】
大盛況の後、無事に終了いたしました。
グズついた天気の下、本当に驚くほど沢山の
方々が連日足を運んで下さいました。
ご来場くださった方々、開催に向けて協力して
いただいたスタッフ皆様、全ての方に厚く御礼申し上げます!
ありがとうございました!!

個展というものは、何度経験しても
怖くて仕方がないです。
制作という作業は孤独で、初めて誰かの目に
触れる機会が、個展です。
評価は常に他者が下すものであり、制作者は
作品でのみ語れるものです。

もちろん、心ない厳しい声が聞こえることも
あります。
明らさまに、産地にこだわる方もいます。

私は、出来ることしかできません。
誰にも媚びず、できることだけを
一生懸命やり続ける。これだけです。
作り手と買い手の関係は潔癖であり、
常に対等の立場でいるべきであると考えています。

相手は作品で私を評価します。
私は相手の品格を評価します。

沢山のニンゲンが往来をする空間で、
そんな事を考えました。

またどこがで皆様にお会いできることを
楽しみにしております!

michiko KAMEE














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# by michiko-kk | 2016-06-29 23:19
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個展のお知らせです

【亀江道子 展】
会期: 2016年6月22日(水)→28日(火)
場所: 日本橋髙島屋6階 美術工芸サロン

詳しくはHPインフォメーションをご覧下さい。
http://michiko-kamee.com/html/michiko_info.html

皆さま、どうぞ遊びにいらして下さい!
お待ちしております。




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# by michiko-kk | 2016-05-18 14:08 | 仕事/work

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旧正月が近づいきて、街にもちらほらと中華風の飾りが目立ち、赤一色になってきた。

そこで久しぶりにアジア映画でもと思い、チャン・イーモウの「rise the red lantern(邦題:紅夢)」を観た。

この映画は別格だ。
内容はホラーに近い部分もあるが、全てにおいて最高に素晴らしい!
もう何度も繰り返し観たが、何度観てもいい。
いつかこのロケ現場の館を観光してみたい!!

アジア建築、調度品、赤の色、どれをとっても誇らしく感じる。
ハリウッドにありがちなオーバーで無駄なBGMが一切なく、存在する音のみが響いてくるというのも惹きつける。

そして何よりも、赤、だ。
とにかく、赤を観る映画だ。
全編通して赤が映え、不思議なことにどのシーンの赤も違ってみえる。
場所、時間、心情によって、美しくも醜くも、狂気も哀しさも感じる。

日本でも赤は魔除けの色。
そろそろ節分。悪いものが寄ってこないよう、新しい年を迎えたい。


★★★★★★★★★★★★★

H.Pもご覧ください!
michiko-kamee.com

★★★★★★★★★★★★★
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# by michiko-kk | 2016-02-01 13:21
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本が好きだ。
映画も本もマンガも宇宙も、子供の頃から、家で独りで楽しむことがとにかく好きだった。

ここのところ、ニュースをひらけば「本」やら「文壇」の文字が飛び込んでくる。

もちろん、読書好きには喜ばしいことで、忘れかけていた純文学をもう一度読み返すいい機会にもなったり。

中学生くらいの頃、『文學ト云フ事』という深夜に放送されていた番組が大好きで、毎度毎度ビデオに録画していた。
何度もみていたので、今でも鮮明に覚えている。(この番組の前後に流れる、吊るされたピアノのCMも好きで、今でも鮮烈にのうりにやきついている)


毎回、文学作品をひとつ取り上げて、その作品についての紹介していた番組だったのだが、そのやり方が普通じゃない!
映画の予告よろしく、幻想的なイメージ作品であり、とにかく紹介された本が読みたくなって仕方がなくなるのだ。

家族も寝静まり、深夜の静まり返った空間にその幻想的な映像をみていることは、なんだか覗き穴から見てはいけないものをみているような、そんな感じがしていた。(キャストの緒川たまきと井出薫の可愛さにうちのめされた!)


「解禁です。すべての文学を解禁します」
エンディングのこの台詞。
不思議なもので、今だってずっと自由に読めていたものを、一瞬にして不自由から解放させるような感覚にさせてくれる。
まさに言葉の呪術であり、マジックだった。
あぁ、本当にいい番組だったなぁ。

毎週翌日には図書館に一目散に向かい、その本を読み、またビデオをみる。
という、密かな楽しみだが、遊び盛りの学生にしては割と地味なことをやっていた。


読書の質、とは面白いもので、味覚に似ていると思う。
成長するごとに、嗜好が変わっていくのだ。
自分の持ち物であるはずの脳も肉体も、もう自分ではコントロールしておらず、そう考えると、自分とは一体なんなのだろうかと、やっぱりいつもそこに辿り着く。

純文学なぞまさにそれで、中学生の時に、読書感想文のために、とりあえず読まされていた時は同じ中身のくせに、まるで中身が変わっているかのようで面白い!

セミの鳴き声が煩い縁側も、初めて読んだ時のあの感想や、難解な文体にしんどくなりながらも無理矢理読んだ達成感は、今では懐かしい。

そして今ではもう見られなくなったあのビデオテープ。
やらねばならない仕事が山積みのくせに、あの番組の残像を必死に思い出しながら、ぼろぼろになった単行本を読み返している。







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# by michiko-kk | 2015-07-22 11:55