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「too much」 or 「much better」?

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先日、ずっと欲しかった本を購入しました。
「Charle Garnier Un architecte pour un empire」。
昨年、建築家シャルル・ガルニエのエクスポがあったのですが、
結局いけずじまい。

しかし、地下鉄に貼られたポスターに一目ぼれして、もうずっと気になっていたのです。
白いドレスを身に纏い、深緑のショールをかけ、あのオペラ座の階段を下る
オードリー・ヘプバーンです!
あの、映画「funnyface」 のワンシーン!
なんて素敵なポスターでしょう!!!


さて。

今の時代に好まれるスタイル。

シンプルでモダン、便利且つ機能的。
なんにでも合わせやすく、お値段もお手ごろ!


だけど、良くも悪くも今も昔も残るのは「クセのある」ものなのではないでしょうか。
クセのある、とはゴテゴテとしたもののことではありません。

そう、「異端者」。


コルビュジエ然り、アール・デコ装飾真っ只中での、装飾のない「異彩」。
ガウディ然り、「上(神)がお急ぎではないから」という世紀を超えての完成形という「異彩」。

建築家にしろ、画家にしろ、その時代で評価されるされなしではなく、
「時代が証明してくれる」という信念のみによって突き進むものなのです。


エッフェル塔に凱旋門、パリには観光名所が数あれど、私はオペラ座(ガルニエ宮)が
なによりも一番好きです。
ヒマさえあれば、見にいきます。
そして、今は車でごった返す町並みも、当時は全て馬車と人だけであり、猥雑とした地区も
あればこその豪華にそびえたつオペラ座がありました。

あのゴテゴテとした装飾は賛否両論ありますが、オペラ座を舞台にした小説、映画、バレエ、
ミュージカルと数多くの作品が生まれたことをみると、まさに時代が証明しているのでは
ないでしょうか。

やりすぎ感があれど、ここまでやらねば残らない。
それは、ものの装飾だけでなく、削ぎ落としたもののなかにもどれほど制作者の
やりすぎた意図が隠されていることでしょう。


物の溢れすぎた、ちょっと勘違いしやすいこの時代。
なんでも右へならえ、では、なんとも悲しい。

そして、今現存している、成功者・権力者たちの目だって狂っているのかもしれません。
売れる・売れないだけでは物の価値は測れない。

いつだって美しさと醜悪は表裏一体なのですから。

こんな時代だからこそ、本当にいいものを選ぶ目を養いたいものです。
by michiko-kk | 2011-05-29 00:03